友人のこのみさんがランチをご馳走してくれるというのでついて行ったところ、着いた先はBerndさんという方のご自宅。そのBerndさんは日本文化に非常に精通している方で、日本で精進料理の修行をした経験まであるとのこと。そのBerndさんが腕をふるった精進料理をご馳走になりました。野草を使った胡麻和えや、丁寧に引いた出汁に刻んだルッコラの茎でアクセントをつけた香りよい味噌汁、滋味深い漬物、大蒜でソテーされたマッシュルームの添えられた、セロリの香りが印象的な雑穀米など、驚くべき数々の料理に圧倒されました。こんなに細やかで美しい精進料理は日本でもそうそう食べられません。その上、器は織部や青磁、漆器などの上品なものばかり。格別の茶懐石のような食事でした。
ちなみに、Berndさんのご自宅は無駄なものが一切なく、厳選された家具や装飾品がしかるべき場所に置かれた端正なお部屋でした。食器棚の中の、溢れんばかりの、しかし秩序立って並べられた和食器や、整然とした彼のコレクション(本や絵画、花器)を眺めていると、Berndさんがいかに文化を愛し、自宅に迎え入れた器や様々な物を大切に扱っているかが伝わってきました。いつかこんなお家に住んでみたいなあ、と、一日経った今でも心のなかでぼやいています。
このみさん、Berndさん、ありがとうございました。
野草と野菊を使った胡麻和え(白和えのような風味でした)。野菊の華やかな香りと野草の苦味が印象的。
自家製の漬物やきんぴら、京都から持ち帰った漬物も。そして奈良漬けまで!ベルリンで奈良漬けが食べられるなんて……。
先述した香りよい豆腐の味噌汁に雑穀米。写真を撮り忘れましたが、これにさっぱりとした洋梨のサラダが付きました(※私は左利きなので、ごはんと味噌汁の並び逆にしちゃいました)。
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